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アートを軸にした社会人向けワークショップ 実施レポート

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CAPSの新しいチャレンジの一環として、様々なアーティストとの共創体験から、個人の「創造性」を刺激する社会人向けのワークショップ「ARTWORKS(アートワークス)」を企画し、第1回目を実施しました。

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創造的な仕事につながる手掛かりを求めて

従来のやり方では新しい価値が生まれにくく、仕事の在り方そのものが問われている現代。では、その不透明な状況を乗り越えるにはどうすれば良いのか?

私たちは、その手掛かりをアートの「創造性」に求めています。私たちが日常の中で見過ごしている何気ない感覚や違和感を特別なものに変える、「創造性」溢れるアーティストのアプローチ方法の中に現状を打開するヒントがあるのではないか?また、これまで接点を持つことがなかった社会人とアーティストが出会い、共創することによって多様な学びが生まれるのではないか?その可能性を探る試みとして、この取り組みがスタートしました。

例えば、アーティストが考えた共創体験を通じて、知らず知らずの間に染み着いている凝り固まった価値観が取り払われ、自分だけの発想の核を発見することになるかもしれません。また、特別な体験を共有することによって、日常にはないつながりが生まれ、その出会いが新しい活動の種を生むこともあると考えています。

今回は、数多くのアートプロジェクトを手掛けてこられた小川希氏にご協力いただき、多くの人々を巻き込み、個人の想像力を引き出しながら参加型の作品を作り出すアーティスト、小鷹拓郎氏をお招きし、下記の内容で実施しました。




< 実施概要 >

参加対象者の想定

・組織、個人を問わず、従来の価値観に囚われない、新しいアプローチ方法を模索している方
・考え方やものの見方などの発想の幅を広げたい方
・日常にはないネットワークを広げたい方
・外部の画一的なワークショップやセミナー、研修では物足りないと感じている方 など

※今回は社内スタッフに加え、外部から若干名ご参加いただき、計16名の参加者で実施しました。

○ プログラム内容

・対話編-創作背景から学ぶ(60分)
アーティストの作品とその創作プロセスや背景にあるテーマをもとに対話をする。

・実践編-共創体験から学ぶ(60分)
アーティストが企画した共創体験を通じて、日常にはないイマジネーションを働かせる。

・考察編-振り返りを兼ねたアフタートーク(60分)
体験を振り返り、作品化された結果を考察する。

○ 企画・アーティスト選定協力

ogawa_kao小川 希 ArtCenter Ongoing 代表・TERATOTERAディレクター
1976年、東京都生まれ。2001年武蔵野美術大学卒。2004年東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。2002年から2006年に亘り、大規模な公募展覧会「Ongoing」を、年一回のペースで企画、開催。その独自の公募システムにより形成したアーティストネットワークを基盤に、2008年に吉祥寺に芸術複合施設Art Center Ongoingを設立。現在、同施設代表。また、JR中央線高円寺駅-国分寺駅区間をメインとしたアートプロジェクト「TERATOTERA(テラトテラ)」のチーフディレクターも務める。


○ 講師

interview134_04小鷹 拓朗 アーティスト・リサーチャー
嘘や都市伝説をリサーチし、その土地独特の脈を割り当てることとその検証力に加え、一つの小話のように落ち(さげ)をつける物語を紡ぎ、フィクションとノンフィクションの境界を綱渡りする。1984年埼玉県生まれ。国内外でのアートプロジェクトや展覧会での実績多数。経歴の詳細、作品はこちら:小鷹拓郎のウェブサイト








体験そのものの楽しさが次の参加を促す

今回の実践で見えてきた体験価値として、主に以下のものが上げられます。

●アーティストの視座を通じて、思いもよらない新しいものの見方や考え方が得られる
●共創することによって、日常にはないつながりが生まれる

個人の「創造性」を刺激し、何らかの学びを得るためには、一回のみではなく繰り返し参加していただく(したいと思える)ことが大切だと考えています。上記の体験価値は、目に見える成果としてすぐに日常で役立てられるものではないですが、次の参加を促す体験そのものの楽しさとして、一定の参加者に共感いただけたのではないかと思います。それでは、個々の内容について詳しく振り返ります。


対話編-創作背景から学ぶ

“表現することは生きることの一部。だから、失敗は怖くない。”

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小川氏からアーティストの選定意図をご説明いただいた上で、小鷹氏より、自身の作品を介して、テーマ設定の背景や独自の創作プロセス、完成後に得られた気付きなどをご説明いただきました。日常で起きる些細な出来事をきっかけにして、関わる人々を次々と巻き込みながら、日常と非日常を行き来する独自性に溢れた作品を数多く作られています。

そのお話の中で特に印象的だったのは「場所性や登場する一般の人によってその作品の質が決まることになるが、コントロールできない分、失敗の怖さはないのか?」という問いに対して「そもそも成功したことが1度もない。その失敗も含めて作品化する。」という回答があった点です。評価されたり成功することが目的ではなく、まず最初に表現することの自分なりの必然性があること。それがあれば、結果がどうであれ、行動することで次につながっていくのだと感じました。


実践編-共創体験から学ぶ

思いもよらない共創が新しいつながりを生む

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小鷹氏考案の「現代社会を逆行する方法を模索、実践する」をテーマに、人とのコミュニケーションにフォーカスを当て、著名なアーティストのパフォーマンスを個々に実演し、「アーティストの視点で世の中を見ること」を実践しました。行為の元は極めてシンプルで、大きな声を出すこと、人の目を凝視すること、思いついた動作をすることの3つです。最後に一つの作品として編集したものをレビューするために、その様子を動画として撮影しました。

最初は、誰も経験したことのない内容であることから、参加者の表情に戸惑いが見られましたが、実際にやってみると、先入観が取り払われるような感覚があり、また特殊な共同作業であったことから、参加者の間に日常では味わえない連帯感が感じられました。


考察編-振り返りを兼ねたアフタートーク

他者との違いを知ること。それがはじめの一歩に

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ここでは、懇親会も兼ねて、この取組を通じたアートの果たす役割について意見交換が成されました。その他、後半の共創プログラムには参加されない方もいらっしゃいましたが、実践する場面を見て、参加しなかったことを後悔したなどの発言もあり、ここでしか体験できない価値があったのだと思います。

そして、終盤に小鷹氏の編集により出来上がった作品(仮編集版)を視聴しました。参加者一人ひとりの行為が作品の一部となり、その中で個々の行為が相対化され、お互いの違いが浮かび上がります。そのことを一歩踏み込んで考え、繰り返していく中で、個人の「創造性」の核になるものが少しずつ明確になっていくのではないかと感じました。

また何より、作品自体のクオリティも高く、鑑賞そのものを楽しめる内容で、普段接点のない方がアートに親しむきっかけにもなったと思います。最後に、小鷹氏が別案として考えていたテーマを話され、「次回もぜひ!」との意見をいただき終了しました。


“常識を揺さぶり、新しい問いが生まれる場づくり”を目指して

創造的な仕事は、まだ世の中に表れていない問いがないと、そもそも生まれてこないと考えています。そして、その問いを生むためには、まず自分の中の考え方の常識を壊し、自由な発想を手に入れる必要があります。そのために、非常識とも言える原体験をアートを通じて提供する。そんな場づくりを目指して、引き続きプログラムの充実を図るべく、活動を続けていきます。

次回開催の詳細については、改めて告知をさせていただきます。ご興味のある方はぜひご参加ください。





取組の詳細はこちら:https://www.artworks-lab.com/