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日本製品に「味」はあるか?

さる11/6、筑波サーキットで行われた「テイスト・オブ・ツクバ(以下T.O.T)」を観戦してきました。T.O.Tはちょっと古めのバイクが活躍する、日本を代表するアマチュア向けサンデーレース。近年では春と秋の年2回開催され、毎回多くの出場者や来場者でにぎわう人気のバイクイベントです。

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有力チーム「パワービルダー」のGPZ900R(#29)を追う、前大会のクラス優勝車GPZ1000RX(#51)

 

人気の理由は「らしさ」の徹底

T.O.Tが長年人気を保っている理由は、選手権にも負けないレベルの高さにもありますが、主催者と出場者が共通して持っているマシンへのこだわりの強さにあると思います。T.O.Tを唯一無二のイベントたらしめているそのこだわりとは、その名が示す通り「テイスト=味」。公式サイトには、出場マシンのあるべき姿についてこんな記載がありました。

T.O.Tらしいマシンとは何か?規則化できないニュアンスや、T.O.Tの雰囲気を大切にすることが強く望まれます。クラスによっても雰囲気は違うし一言では表せませんが、ひとつの表現方法としては、チャンピオンシップの懸かった選手権レースとは違う味のあるマシンということでは無いでしょうか。

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こだわりのオリジナルペイントが施された「T.O.Tらしいマシン」Z1000R(#84)とZ1-R(#56)

 

なぜこだわるのか?

最もエントリーが多くT.O.Tの象徴ともいえるMONSTERクラスでは、カワサキZ系を中心としたマシンがほぼ市販時の形状を保ちながらも、全長2,070mのテクニカルコースを1分2秒台という驚きのタイムで走っています。30~40年前のバイクでこのタイムを出すのは至難の技で、オーナーたちが相当の時間と資金と情熱を注入していることが容易に想像できます。しかし、なぜ彼らはそこまで古いバイクにこだわるのか?前回5月の大会の優勝者、Z1000Rに乗る川島英次さんのコメントは以下の通りでした。

自分はカワサキZが好きです。今でもZが主役になれるMONSTERクラスとZがこの先も栄えると信じてます。

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MONSTERクラス決勝、2番グリッドでスタートを待つ川島さんとZ1000R(#2)

 

日本製品にも「味」はある?

カワサキZ系に限らずこの時代の日本のバイクは、「高性能・高品質」を至上の価値として作られました。その性能と品質は世界のお手本となる素晴らしいものですが、現代のレベルから見れば当然ながら大きな驚きはありません。だからといって今、古いバイクがその価値を失ったのかといえばそんなことはなく、「高性能・高品質」とは違った価値を強烈に放ち、時を越えて人々を魅了し続けているのです。

 

その価値とは一体何なのか。それこそがT.O.T公式サイトに書かれている「味」なのかもしれません。「高性能・高品質だけど、無味乾燥で魅力がない」と評されることの多い日本の工業製品ですが、T.O.T出場マシンたちは海外製品に負けない「味」を持っていて、40年後の今もなお輝き多くの人に愛されています。みんながなんとなく感じているけど、まだうまく言葉では表せていない「味」。果たしてそれは、現代の日本製品にもあるのか?強いブランドを創るためのヒントは、そこに隠されているのではないでしょうか。