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ブランド価値を高める、過去と現在のつなぎ方

先日、神戸ポートターミナルで行われた「川崎重工創立120周年記念展」へ行ってきました。本展の趣旨は、同社が第二次世界大戦中に開発・製造した戦闘機「飛燕」を修復・復元し、当時の技術者たちの想いを感じるというもの。国内に現存する唯一の機体を、生まれ故郷である川崎重工岐阜工場で完全復元したとのことです。むかし話に終始した地味な催しになりがちなこの種の試みですが、この記念展にはバイク乗りをワクワクさせるブランドストーリーがありました。

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展示物は飛燕だけではなく、Ninja H2R & 飛燕です。量産車で世界唯一の「スーパーチャージドエンジン」を搭載したNinja H2Rと、当時日本唯一の「液冷過給エンジン」を搭載した飛燕。いずれも独自の技術で最速を目指したというストーリーを、バイクと飛行機というカテゴリーの違い、さらに70年以上という時代の違いを超え、共通の価値として訴求していました。

 

四輪メーカーのアプローチ

カワサキの例とはアプローチが異なりますが、「過去と現在をつなぐ」ブランドコミュニケーションは、珍しい物ではありません。メルセデス・ベンツ日本が10月26日にリリースした「ALL TIME STARS」は、往年のメルセデス・ベンツを新たなオーナーに届けるサポートサービス。専門のメカニックが、一台一台を入念に整備して、安心安全なクラシックカーを提供するという物です。この活動には、中古車を売って利益を得ようという考えはなく、「メルセデス・ベンツは長く愛していただけるブランド」という価値を伝えることに重点が置かれていると感じました。

 

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ALL TIME STARS ウェブサイト

 

欧州ブランドでは常識

このような動きは今に始まったものではなく、欧州ブランドでは今や常識のブランディング活動です。BMWでは、エルビスプレスリーの愛車「507」のレストアプロジェクトを行っていたり、クラシックモデルのパーツ販売も積極的に進めていたりいます。ポルシェでは、PORSCHE CLASSICという専門部門で、自社所有の歴史車やレース車に加え、顧客の所有するクラシック・ポルシェのレストレーションも請け負っています。フェラーリ・クラシケでは、顧客のクラシック・フェラーリに対し、あらゆる部分が完全に機能しているか、あらゆる部品がオリジナルスペックに準拠しているかを入念に審査の後、由緒正しき「鑑定書」が発行されます。

「古い製品の価値を伝えることで、現在のブランドの価値を高める」

一見、遠回りに見えますが、新しい製品を次から次へと購入し消費の連鎖を続けていくというライフスタイルに疑問が持たれ始めている今こそ必要な、ブランドコミュニケーションなのかもしれません。